政府の言う働き方改革とは?企業が得するポイントもチェック!


最近はたくさんの場面で「働き方改革」という言葉を聞くようになりました。数年前まではなかった言葉ですが、今は何らかの取り組みを初めたという会社が82%という調査もあるほど。政府も率先して働き方改革を勧めています。

今回は政府が勧めている「働き方改革」とはどういうもので、なぜ勧めているのか、企業は働き方改革をすることによってどんなメリットがあるのかについてご紹介いたします。

中小企業が政府の動向を知ると、助成金の情報を敏感に察知できるという、いいこともありますので、参考にしてくださいね。法律がどう変わっていくのかも把握しておくと、準備にしっかりと時間をかけられます。

政府はどうして働き方改革を勧めるの?

政府の働き方改革の目的をざっくり説明すると、「日本は労働生産性が低いので、もっと生産性高く働こう!」ということと、育児中の女性も含め、「働きたいのに働けない人が多いから働けるようにしよう!」ということです。

そのためには、そもそもの働き方から変えていかないといけないよね、働き方改革をしていこう!というのが「働き方改革」を勧める理由です。

働き方改革実行計画を作成しました

政府は、「働き方改革実行計画」というものを作成しました。11個の項目がありますが、メインは「同一賃金同一労働」と「長時間労働の上限規制」です。具体的に何をしていくのかを、簡単に解説していきます。

働き方改革1「同一労働同一賃金・非正規雇用の処遇改善」

ニュースなどでも大きく取りあげられた同一労働同一賃金。同じ仕事をしていても、非正規雇用だから正社員より待遇が悪い!給料が低い!というのはよくある話です。

パッと見や感覚でわかることもありますが、詳しく掘り下げて見てみないと気づかないものもあります。例えば、同じ営業職でフルタイムと短時間勤務の人がいたとして、月の売上ノルマを達成したら手当が出る場合。同じ金額のノルマだった場合には、明らかに短時間勤務の人だけがもらえない手当になっていたりしますよね。

こういった細かい部分も含めて、同じ仕事をしているなら、同じ給料をあげるべき!というものです。

働き方改革2「賃金引き上げ・労働生産性向上」

日本は世界的にみても「労働生産性」が低いという統計があります。労働生産性とは、噛み砕いて言うと「仕事の密度」で、「1時間にどのくらいの仕事をしているか?」と考えるとわかりやすいです。

労働生産性を向上しようということは、「1時間にできる仕事の量を増やしていこう!」というイメージになります。そのために工夫していこうね!ということです。

現在は、定時上がりだと収入が足りないので生活のために残業をする「生活残業」もよく見られます。ですが、「能力があがって、前より早く仕事を終わらせられるようになったから給料をあげる」というのが正しい考え方で、「仕事をダラダラと、時間をかけてやることで収入を増やそう」というのが当たり前になってしまっては、経済は停滞する一方です。

とっても早い時代の流れにのっていくには、ダラダラ仕事は辞めなければなりません。そして、今よりもっと早く!たくさん!質の良い仕事ができるように「工夫」していくことが必要です。

「労働生産性」をあげていくことで、最終的には経済を活性化しよう!という考え方です。

働き方改革3「長時間労働の是正」(罰則つき時間外労働の上限規制の導入など)

日本は、世界共通語になってしまった「過労死」という言葉でわかるとおり、長時間労働の国です。過労自殺やメンタルヘルス疾患、体調不良など、長時間労働にはさまざまな問題がありますので、早急になくしていきたいところです。

今までは、残業時間が法律上、実質的に上限がなかったので、上限規制を作ろう!というのが趣旨です。

時間外労働(残業時間)の上限はこちら!

時間外労働の上限は、月45時間、年間360時間

ただし、一時的な業務量の増加がやむを得ない特定の場合の上限については

(1)年間の時間外労働は月平均60時間(年720時間)以内

(2)休日労働を含んで、2か月ないし6か月平均は80時間以内

(3)休日労働を含んで、単月は100時間未満

(4)月45時間を超える時間外労働は、年半分を超えないこと

長時間労働が当たり前になっている会社は、急に変えるのは難しいです。超えなければならないハードルも多いはずです。法律になる前に、早目に準備しておきましょう。

働き方改革4「柔軟な働き方がしやすい環境整備」

会社に出勤しないで自宅や家の近所で仕事ができる「テレワーク」が有名です。その他にも、副業や兼業の推進や、雇用されずに働くテレワークの支援などを計画しています。

働き方改革5「女性・若者の活躍」

育児のために仕事を辞めて復職できずにいる女性、就職氷河期に正社員になれなかった若者の支援をするというものです。

さらに、夫の扶養の範囲内で働きたい!という場合の扶養の範囲、いわゆる103万円の壁を150万円に変えていこう!という内容もあります。扶養の範囲を大きくすることで、女性にもっと活躍してもらおう!という意図です。

働き方改革6「病気の治療と仕事の両立」

今や3人に1人が病気の治療をしながら働いているのが日本の現状です。病気のため辞める人もいるのですが、これを会社の配慮や理解、環境の整備などで辞めずに働き続けることができる部分もあるのでは?と考えたものです。

両立支援コーディネーターという専門家を設置して、相談しながら両立していけるようにしよう!などの計画があります。

働き方改革7「子育て・介護と仕事の両立、障害者の就労」

子育てとの両立では、待機児童の解消、小1の壁の打破などが挙げられています。介護との両立では、介護離職ゼロを目標にしていますね。保育士や介護職員の処遇改善や、男性の育児や介護の参加促進も計画しています。

障害者の雇用も昔と比べて少しずつは改善してきているものの、今ひとつな部分も。有識者を集めて会議をしていこうと計画しています。

働き方改革8「転職・再就職支援」

「雇用吸収力、付加価値の高い産業への転職・再就職支援」となっています。日本では、一度キャリアから離れると、仕事に復帰するのが難しい面がありますよね。職歴に空白期間があると就職が不利!なんて言われたりもします。そういった方でも復帰できる社会にしていきたいね、ということが書かれています。

また、AIによって新しい仕事が増えていくことが考えられているので、そういった分野の仕事内容や、必要な知識や能力などを調査検討していこう!という内容もあります。働きやすい職場情報などのサイトの創設も計画されています。

働き方改革9「教育環境の整備」

こちらは返済不要の奨学金制度や、幼児教育の無償化など、主に経済面で子どもが諦めずに教育を受けられるようにする計画です。

働き方改革10「高齢者の就業促進」

年齢に関係なく働けるようにしよう!というもので、定年の延長や、企業への相談・援助、助成金などを検討する計画があります。

高齢者の持つ技術や経験を活かしていくために、できることをやっていこう!という内容になっています。

働き方改革11「外国人材受け入れ」

グローバル競争においては、高度な技術や知識をもった外国人材を受けいれることが大切という意図です。そのために、外国人にとって魅力的な仕事環境など、いろいろと検討していこうという計画です。

会社が働き方改革をするメリットは?

このように、政府は国の経済を考えて働き方改革を勧めています。では会社が働き方改革をする理由はなんでしょうか?法律になったら守らなきゃいけないんでしょ?という声も聞こえてきますが、ここはぜひ!メリットに着目して勧めていきましょう。

会社が働き方改革(働き方を見直していく)メリットは主に3つです。それぞれご紹介します。

生産性の向上

1つ目は生産性の向上です。政府の働き方改革実行計画にもありましたが、1時間あたりにできる仕事の量を増やそうと考えるとわかりやすいと思います。

生産性の向上は、製造業の現場などでは昔から意識して行われていますが、意識されていない業界も多いものです。数字で計ることが難しい仕事もたくさんありますし、時間をかけることが良いことだと言われ続けている仕事もあるでしょう。「職人」という意識を持って働く人は、特にそういった傾向があります。

それでも、短時間で質の高い仕事をするにはどう工夫したらよいのかを意識し続けることが必要です。

また、「私の仕事は数字にはできない」「生産性なんてわからない」と言われることはよくあります。しかし、できないように見える仕事も、一部ではできることもありますし、視点を変えればできることもあります。

大切なのは、「できないからやらない」のではなく、「どうしたらできるのか考え続ける」ことです。いろいろな会社の事例をマネしてみるのもよいでしょう。

優秀な人材の確保と社員の定着

2つ目に優秀な人材の確保です。人手不足が深刻化していますので、会社によっては優秀じゃなくてもいいから欲しい!という場合も増えてきていますね。

政府の働き方改革では、育児・介護・病気・定年などで退職せずに働き続けられるようにすることが挙げられています。会社でできることは何でしょうか。

今は会社が1人社員を採用するのに50~100万円かかると言われています。育児・介護・病気・定年、すべて退職せずに働き続けることができれば、そのコストはかけずに済みますね。そのためには両立しながら働きやすい働き方に変えていく必要があります。

人が会社を選ぶときには、お給料や福利厚生も見ますが、他にも良いところを探しますよね。今は両立すると働きにくい会社が多いので、両立しながらも無理せず働ける環境を整えることができれば、他の会社よりも有利になります。もちろん、それだけで選ぶわけではありませんが、1つの大切なポイントであることは確かです。

アイディアで企業力UP

働き方改革を是正したり、育児や介護などとの両立に取り組むと、社員の私生活の過ごし方は多様化します。社員それぞれが違った視点を持つことになるので、この視点をしっかりと活かしていくことができれば、会社の業績はあがっていきます。

例えば、お客様の喜ぶものは何なのか?この質問に対しても、多様な社員がいれば、これまでよりたくさんの答えがでてきます。競合他社よりもよい商品やサービスを提供できるようになります。

これまでいろいろな会社を見てきましたが、やはり社員が自由に意見を言える会社というのは、活気があってお客様もたくさんいますね。多様な社員がただ働けるようにするだけでなく、言いたいことが言える、話を聞いてくれる会社というのも、会社の魅力の1つです。

会社は会社に必要なことをしよう

「政府が働き方改革と言っているからやらなければならない」最近こういう言葉を聞く機会が増えてきました。確かに、周りの企業がみんなやっていて、自分の会社だけやっていないと、人材は集まらないし、お客様からの印象も悪いですね。

ですが、あくまで会社は「経営戦略」の1つとして捉えていく必要があります。カタチだけの働き方改革をしてアピールしたものの中身がない、というのもよく聞く話です。働き方改革をしても社員の働き方や満足度は何も変わらない、それどころか満足度が下がっているなんて事例も出てきています。会社もアピールにお金を使っただけ…なんてことのないように気をつけなければいけません。

必ずしも「改革」が必要なわけではなく、まずは働き方を「見直し」ていきましょう。自分の会社にとって本当に必要なことをやってくださいね。

何が必要なのかわからない、もっと詳しく話を聞いてみたいという方はこちらからどうぞ…