労働生産性ってどうやって計算するの?具体的な方法や事例を紹介


労働生産性をあげよう!働き方改革をしよう!とはよく言われますが、「私の仕事は数値化できない…」と思う方も少なくありません。営業のように金額が出てくる仕事内容ならまだしも、接客、教育、医療、福祉、芸術…数値化しにくい仕事はたくさんあります。そこで今回は、数値化しにくい仕事の労働生産性の計算方法を解説します。

労働生産性の計算式

ご存知の方もいらっしゃるかもしれませんが、最初にそもそもの労働生産性の計算式を紹介します。

労働生産性=付加価値÷労働時間

付加価値って何?というのが今日のテーマですので、あまりイメージがわかないという方も大丈夫です。とりあえず読み進めてください。

私はよく「労働生産性とは仕事の密度ですよ」とお伝えしています。簡単に言うと、短い時間でどれだけたくさんの仕事ができるのか?が労働生産性です。たくさんできれば労働生産性の数値は大きくなるし、少ししかできなかったり、たくさん時間がかかっている場合は労働生産性の数値は小さくなります。

例として、1時間単位の労働生産性を計算してみましょう。1時間で10の仕事をすれば、労働生産性は10で、2時間で30の仕事をすれば、労働生産性は15です。30分で5の仕事をしても労働生産性は10ですので、1時間で10の仕事をする人と同じです。

日本は労働生産性が低いから働き方改革が必要

この労働生産性というのを世界各国で比べた統計があります。先進国の中では日本が最下位で、日本人は他の先進国に比べるとだらだら仕事をしている国とされています。逆に言うと、日本人はもっと短時間でギュッと密度の高い仕事ができるはず!というのが、労働生産性高く仕事をしよう!と言われるようになった理由です。働き方改革で労働生産性!と言っている理由はこれです。

数字にならない付加価値がある

「労働生産性を高くしよう」と取組みを始めると、かなりの人が戸惑うことがあります。それは、すべての仕事が数字で表されるわけではないということ。営業などは売上があるので比較的わかりやすいですが、売上をあげている人だけが仕事ができるわけではないというのは、ほとんどの人が理解しているでしょう。 

売上が低くても、後輩を育成するのが得意な人。周りの人のサポートが得意で、その人がいることで他の人の売上が安定する人。他の人の雑用をいつも代わりにやってくれる人。会社はいろんな人がいることで成り立っていますが、そういう人に対して生産性が低い!仕事ができない!と判断すると、絶対に納得いかない人が出てきます。うまく回っていた仕事が回らなくなってしまうこともあります。

ポイントは数字や統計にとらわれないこと

労働生産性を計算するという話をしているのに反対のことを言っているようですが、「今ある」数字や統計にとらわれすぎると、うまくいきません。普段数字にしない仕事はたくさんあるからです。というよりも数字になっていることの方が少ない可能性が高いです。小さな会社であれば、お金に関すること以外の数字を出していないこともあるでしょう。

付加価値や生産性を「今ある」数字で計算できない具体例

具体例をお伝えすると、接客で言えば、お客様がどれだけ満足しているかと、どれだけお金を支払ってくれるのかは同じではありません。芸術関係では、素晴らしい作品を作ることと、作品が売れて業績が向上することは必ずしも一致しません。

教育業界で言えば、テストの点数が良いことと、生徒が成長することは同じではありません。テストの点数でわかるのはテストに出た部分の成長だけです。心や身体の発達についてまで考えると、なんらかの答えが出るのは10年以上先かもしれません。

労働生産性と付加価値の計算の仕方

「今ある」数値で計算すると、うまくいかないとお伝えしました。つまり、「今ない」数値を確認して計算してみよう!というのが、今回紹介する労働生産性の計算の仕方です。紹介するのは、あくまでも具体例で、やり方に正解はありません。具体例を参考にして、適したものを見つけてくださいね。

付加価値を計算する具体例

まずは深く悩まずに、とりあえず数えてみることをおすすめします。「労働生産性」と名前をつけて数値にしてみることで、見えてくる改善点があります。 

忘れてはいけないのは、働き方改革で労働生産性を計算するのは、これからの働き方をよくしていくためです。改善点を見つけて良くしていけば、会社は成長していきますよね。そのためならやり方は自由。「こんなのでもいいんだ!」ということだけでも理解してください。

些細なことも数えて仕事量を確認しよう

数えられるものはお金だけではありません。例えば、資料を作成するなら資料のページ数を数えることができます。電話をするなら電話の回数も数えられます。アイディアをたくさん出しているなら、アイディアの数も数えられます。お客様がどれだけ満足しているかを知りたければ、アンケートを取る方法もあります。

とりあえず、どんなことでも数えてみる。10ページの資料を作成するのに前は5時間だったけど今日は4時間でできた!そうしたら、残りの1時間に別のことができますよね。それは労働生産性が上がった証拠です。この場合、付加価値が作った資料のページ数になっています。

大前提ですが、「あなたの仕事はなんですか?」というのは意識しておきましょう。仕事が営業であれば売上を確認するように、会社が求めていること、会社に求められていることを軸に考えると、何を数えたらいいのかに気づけるのではないでしょうか。

チームで割ってみるとチーム力も見える

仕事が細かくて、わけることができない!というのであれば、チームで計算するのも参考になります。特に、勤務時間が異なる人がいるときには、勤務時間も合わせて計算してみるとよいでしょう。

例えばAさんが40時間、Bさんは30時間、Cさんは10時間かけて、1つの仕事を受注しようと協力したとします。3人の合計は80時間です。800万円の仕事が受注できた!という場合は、Aさんが400万円、Bさんが300万円、Cさんは100万円の労働生産性です。

さらに、ABCのチームの労働生産性は1時間あたり10万円です。これを他のメンバーのチームと比べることもできますし、労働生産性が高いチームを参考に学ぶこともできます。 

自己採点なら、どんな仕事でもできる

評価制度として、自己評価の数字を使うというのは、意外と多くの企業で取り入れられている評価方法です。一般的には、今月の自分の頑張りは10点満点中8点!というように点数をつけます。お客様への配慮ができたか、社内のメンバーのサポートができたか、目標に向けて行動を起こせたかなど、いくつかの項目を作り、できたことを自己評価で数値化するものです。 

自己採点は、数値化が難しいものを数値化する最後の手段とも言えます。例えば、靴職人が作った靴。お客様の評価もありますが、評価が甘い人もいれば、辛口な人もいます。細かい違いは目利きでないとわからないこともありますし、出来上がったものの質を一番理解できるのは、同じ靴職人ではないでしょうか。

こういった自己評価の点数も、自分の働いた時間で割ってみれば数字がでます。自己評価の点数と働いた時間では数値の大きさが離れすぎていることもありますので、割合を調節する必要はありますが、これも労働生産性を計算する1つの方法です。

同じ質の仕事、同じ質の作品を、前よりも短時間でできるようになった。前と同じ時間で、前より質のいいものが作れた。これらはどちらも労働生産性の向上です。その「質」を自己評価で採点するという意外と単純な方法です。

仕事以外の付加価値を計算する

ついつい付加価値というと、仕事そのものを数えてしまいますが、仕事以外の付加価値を計算に含めてみることもできます。労働生産性の計算は自由に柔軟にやっていいのです。 

社員の満足度を付加価値にする

今の目標が社員の人材確保なら、できた仕事の量だけでなく、社員の満足度も指標にいれるといいでしょう。仕事はたくさんできたけど、社員の不満が爆発寸前!という状況では、人材の定着は難しくなります。社員の満足度が1%あがったら、それは○点分の仕事ができたこと、というように基準を作る方もいらっしゃいます。 

労働時間が増えていないのに、社員の満足度があがったら、それは労働生産性があがったと言えます。AさんのサポートでBさんは仕事がしやすくなった。Cさんのコミュニケーション力で社内の雰囲気がよくなった。こういう場合のAさんやCさんの貢献を数字にすることもできますよね。

離職率や定着率でみる

社員満足度と同じく、離職率や定着率をみるのも1つの方法です。特に、人を雇っても雇っても辞めてしまうというような人材の入れ替わりが激しい会社は、検討の余地ありです。 

同じ時期の労働生産性がたくさんあってもいい

最初にお伝えしたように、労働生産性は付加価値を労働時間で割ります。付加価値を何にするかは自由ですし、いろいろと計算してみていいのです。1ヶ月の売上で計算した労働生産性と、1ヶ月の社員満足度で計算した労働生産性の両方があっても問題ありません。それぞれの数字の合計を労働時間で割ってもいいのです。

働き方改革の目標を決めて労働生産性を計算してみる

たくさんの労働生産性を計算してみてもいいとは言いましたが、必要ないことまで計算していては、仕事が増えるだけです。今の会社の課題は何か?という点から、計算するものを決めてみましょう。社員の定着におすすめなのは、社員の満足度と仕事量の両方を計算することです。社員にアンケートをとったり、仕事を記録してもらうことから始めてみてはいかがでしょうか。

一番お伝えしたいのは「労働生産性」を計算することよりも、仕事量や満足度だけでなく、「時間」を加えて考えてみて欲しいということです。「時間」という指標が加わるだけで、まったく違う課題が見つかることも多いです。ぜひ取り組んでみてくださいね。

 

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