特別編:震災に強い会社になるための働き方改革


2018年は、何かと自然災害の多い年ですね。仕事がストップした会社もあれば、寝ずに数日働かなければならない会社もあったはずです。今回はいつもとは少し趣向を変えて「震災に強い会社になるために」という視点で働き方改革について紹介します。

震災中の状況は?

震災中、被災地はいろいろなものが「ない」

停電、断水、ガスの停止、道路や空港が使えず物流も停止、工場が動かず生産も停止、冷蔵庫が使えず食材は破棄…。お店に行っても買えるものがなく、移動しようにも手段がない。

子どもを預けて働こうにもいつもの預け先があいていない。何より、身を守ろうと必死に働いた「心」が、身体に大きな「疲労」を与えています。食料の確保も難しい中、元気がない、体力がない、心に余裕がない…

やらなければならないことは「たくさんある」

逆に、震災中はやらなければならないことがたくさんあります。

まずは自分の身を守ること。家族の安全を確保すること。誰かを助けること。水や食料を確保し、調理し、食事すること。壊れたものを片付け、近所の人の安否を確認すること。

家庭だけでなく、会社の中は無事なのか、誰かに被害はないのか、社員は無事なのか、まずは把握が必要です。連絡手段はあるのか、出勤するために交通手段はあるのか、誰がどのくらい仕事ができる状況なのか…

当然ですが、社会はたくさんの仕事で回っています。みんなが仕事を休むと、みんな大変ですが、仕事に復帰するのもみんな大変です。

被災中に仕事をするべきなのかの答えは

業種や仕事内容、被害状況によって異なる

そもそも、被災しているときに仕事をするべきなのか、会社は休みにした方がいいのか、迷う方もいらっしゃるのではないでしょうか。これに明確な正解はないでしょう。

もちろん、生命や健康、生活に関わることは休みにしないほうがよいという判断になることが多いでしょう。例えば、震災中でも入院患者の方がいる病院では、医師や看護師の方々がお仕事を続けています。

逆に、趣味や娯楽系の会社は「不謹慎」と言われてしまうこともあります。でも、見方を変えれば、震災で心身が疲れ果てた人をサポートする場所なのかもしれません。

1日も早く、いつもの「日常生活」に戻るために、会社を休みにしないほうがよい!という判断もあると思います。

ただ、震災は知らず知らずのうちに神経に負荷がかかり、疲弊した状態です。この状態で仕事をすると生産性が低くなることだけは意識しておきましょう。

優先順位を見極めることが大切

結局は「優先順位」を考えての行動になると思います。震災で少なくなった資源を、自分の会社が使ってよいのか?他の場所に提供するべきではないのか?自分の会社が生産するものや価値よりも、先に必要なことがあるのではないか、という視点です。

私の近所では、多くの飲食店の方が、お店を休業し、被災地に炊き出しに出向いていました。人の助け合い、温かさに感銘を受けた瞬間でした。

社員が、なんで出勤しないといけないんだ!と感じたのであれば、社員の視点からは「優先順位」の判断がおかしいと見えているということです。

当然、人それぞれ価値観は違いますが、なぜそのように感じたのか?を知ることは、その社員を理解するヒントになるのではないでしょうか。

少ないもので「やりくり」する力

震災というのは、ほとんど何もない状態から、何かしらを生み出す状況、といえるのかもしれません。何もないように見える現状から、少しずつ「資源」を集めて活用しなければならないのです。

特に、社員の時間、体力、気力は、とても大切な「資源」です。家庭や地域社会にも必要とされていますし、交通手段が整っていないのであれば、出勤するだけで疲弊することもあります。いつも以上に社員の力を確保するのが難しいです。

今の人材不足の時代では、足りない人材をどう活用していくかが重要なポイントです。そして足りない人材を確保するために「働き方改革」は必須です。

「少ない人材で、大きく成果をあげる」という考え方は、少ない人や物資をなんとか「やりくり」して日常生活を取り戻すという状況に近いものがあるのではないでしょうか。

こんなときだからこそ、働き方改革を考えてみる

どうしても出勤できない人がいる、それだけで仕事に大打撃!という会社はどのくらいあったでしょう。自分が無理してでも出勤しなければ、会社が回らない!と思った人はどのくらいいたでしょう。

逆に、なんでこんなときに会社に行かなければならないんだ、出勤しろと言ってくるなんてウチの会社はおかしい!と思った社員はどのくらいいるのでしょうか。

いつも同じ人に「しわ寄せ」がいく働き方をしない

よくあるのが、1人しかできない仕事がある状態です。特に社長しかできない!店長しかできない!という小さな会社や店舗は多いのではないでしょうか。

被災中に、何をどこまでやっていいのかわからない、社長や店長の判断を聞かないと動けない、何をどうしていいのかわからない、そういうことは多いと思います。

もちろん、震災という普段起きない出来事への対応ですから、難しいこともあると思います。それでも、普段から少しずつ準備をしている会社の方が、圧倒的にストレスが少なく対応できます。

例えば、店長が育児をしているママで、時々急に欠勤することがあるけれど、事前に準備しているから大丈夫!という店舗の方が、朝から晩まで毎日休まず店長がいる店舗より、「店長がいないとき」に対応しやすいのです。

そのためには、普段から仕事の共有、見える化などをしておく必要があります。本当に生き残る強い会社というのは、実は社員が休みを取りやすい会社です。

本当に優秀な人はいなくても大丈夫

「自分がいなくても大丈夫なように準備する」これは会社にとってのリスク管理です。普段から、後輩の育成、仕事の共有、見える化、整理整頓など、自分がいなくても大丈夫なようにしっかりと準備しておける人は優秀な人です。

「あなたがいなくても何も困らない」という言葉は、一見批判しているように見えますし、こんなことを言われたらショックを受ける人が多いのではないでしょうか。

ですが、これからの時代は、「あなたがいなくても何も困らない」は、きちんと準備していてくれたという褒め言葉です。

「あなたがいなくても(あなたが準備してくれたおかげで)何も困らない」という状況になるように切り替えてみてはいかがでしょうか?

相手の状況を聞き取るコミュニケーション力を

震災が起きました。翌日「大丈夫?明日出勤できる?」という会話をした会社はどのくらいあったでしょう。「大丈夫?」の一言で、人はどういう返事をするのでしょうか。

「大丈夫?」は、「体調大丈夫?」なのか「家は大丈夫?」なのか、それとも出勤できる余裕があるかどうかを聞いているのか、交通手段の話なのか、とりあえず人としてのマナーとして「大丈夫?」と言っているのか…

同じ単語でも、話す人や聴く人によって意味は異なります。その違いに気づくためには、普段から、その人の「人となり」や「価値観」を知っておく必要があります。

質問すべきことは、相手を知らないとわからない

地域の被災状況にもよりますが、被災地に近ければ近いほど、聞くべきことはたくさんあります。そして、相手のことをどのくらい知っているかで、質問も変わってきます。

お子さんが小さい社員に出勤して欲しいなら、「あなたの体調大丈夫?」だけではなく、「子どもの体調、精神状態」「保育園があいているのか」「他に頼れる人がいるのか」なども聞かなければなりません。

お子さんのことは把握していることが多いですが、親と同居しているという話はどうでしょうか。近所に住んでいる場合は?震災のときには、高齢の親が心労で体調を大きく崩され、そのサポートで疲れてしまう方も多いです。

相手をよく知っておくことで、話やすくなる効果もあります。普段から、適度に雑談をするようにしましょう。

「何を聞いたらいいのかわからない」と思った方は、もしかしたら上司としての仕事が普段からできていなかったのかもしれません。今からでも、コミュニケーションを見直してみてはいかがでしょうか。

自宅でもできる仕事がある会社

交通機関が停止した地域では、「出勤は難しいが仕事をできる余裕がある」という社員も現れます。こういう場合に、自宅で仕事ができるようにしている会社は、少しでも仕事を進めることができるので強いですね。

自宅で仕事をすることを「テレワーク」といいます。情報の管理など、事前に対策すべき点はありますが、ぜひ一度検討してみてはいかがでしょうか。

仕事というのは、場所が限定されるものと、されないものがあります。同じように、人、物、時間なども限定されるものと、されないものがあります。限定されるものとされないもののラインを一度見直してみるのも働き方改革への一歩です。

「おたがいさま」の気持ちを持てる人

働き方改革をしたら、個人で働くのではなく、チームワークで仕事をするようになります。自分に何かがあって仕事ができなくても、誰かが助けて仕事ができる。その分、自分は誰かをサポートする。極力すべての仕事をそういう状況にしておきましょう。

いつでも「おたがいさま」の気持ちを持って働ける、それが働き方改革のできている会社です。

当たり前のことですが、いつも「おたがいさま」で助けてもらっている人ほど、会社のために頑張ろうと思ってくれる可能性は高くなります。

時代の流れとして、特に少子化が進んだ若い世代では「お給料をもらっているからお世話になっている」という考え方を持っていないことが多いです。とはいえ、お世話になって当たり前!と思っているかというと、それも少し違います。(もちろん個人差があります。)

「私生活の時間」や「働きやすさ」、「困っているときの配慮」など、「お給料以外の何か」を意識して与え、伝えることも効果的です。

震災を経験したからこそ見える働き方改革もある

働き方改革をしよう!と思ったときには、まず今の仕事を見直します。行っている仕事を、無駄はないか、減らせる時間や仕事はないか、もっと質をあげられる仕事はないかなど見直していきます。

「あれもない、これもない、でも営業する」という震災の場面で最低限行った仕事は、減らせない重要な仕事という可能性が高いです。(もちろん100%ではありません。)

逆に、震災だからやらなくていい!と切り捨てた仕事は、実は普段からやらなくてもよい仕事だったりしないでしょうか。

また、被災して感じたことは何だったでしょうか?助け合う人の温かさ?誰かのために何かやりたいと感じた自分?本当に必要なものとは何だったか?

働き方改革は、「いつもと違う視点」が大きな成果につながります。震災を経験したのであれば、みなさんは1つ、「いつもと違う視点」が増えたことになります。せっかくですから、有効に活用してみてはいかがでしょうか。

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